top of page

犬に何かを「克服させたい」時に大切な事


こんにちは。

D.I.N.G.O.インストラクターの池田です。

ここ最近、月1で「お散歩会」というものを開催しています。

このイベントは何かというと、複数頭の犬で集まり、みんなでのんびりお散歩をするという

その名の通りの大変シンプルなものです。

全国各地で開催されており、私も人さまが開催しているこのイベントの良さに惹かれ

ぜひやってみたいと思い、現在は八王子のたまとポチさんにて行っております。

以前は各回ごとにその時の様子をまとめてブログ記事にしていたのですが、

(ちなみに以前のはこちらから読めます→アメブロ「たまポチお散歩会」カテゴリー

ここ最近は頻度が高くて、なかなかすべての回をご紹介することが難しくなってしまっていました。

今日は、その中で、ある2頭の犬たちのお話をご紹介したいと思います。

まずは、年始に御岳山にみんなで初詣に行ったときに参加してくれたトイプードルのこむぎちゃん。

とても活発で頭の回転の速い彼女。

トレーニングが大好きで、なんにでも興味を持つ彼女がこの日怖がったもののひとつに、

「グレーチング」がありました。

グレーチングとは、道路の脇などにある排水溝の金属製の網の蓋ですね。

これはたくさんの犬が苦手とし、でも大抵はその上をぴょんと飛び越えてくれます。

歩き初めにも難所があり、この時↑は自ら『エイヤッ!』と飛び越えてくれました。

けれど、ある箇所のグレーチングだけは何故だかどうにもどうやっても飛び越えられず…

「いつもなら飛び越えられるのに…」とママさんも不思議そうに。

いつもは大丈夫、でもあるふとした時にできなくなる───

それは犬たちにはよくあることなのですが、私たちには「イヤきっとできるはず…!」の気持ちが強く

そんな時にやってしまいがちなのが、無理をさせてしまうこと。

「あなたはできるはず!がんばりなさい!」と。

「犬が今現在できるレベル」と、「人がこのくらいできるだろうと考えているレベル」に

大きな差があることもよくあります。

この時、ママさんはというと

【グレーチングに近づくたびにほめておやつ】

と、いう方法を行ってくれました。

これはグレーチングをターゲットにした、クリッカーで行うシェイピングの応用ですね。

とても良い手法を選択してくださったと思います、が、ひとつ残念だったのが、

「犬の自発性が引き出せていなかったこと」でした。

こむぎちゃんの『ここまでは行ける!』というラインと、ママさんの「ここまで来てほしい!」ラインに

ズレがあったため、こむぎちゃんに大きな負担がかかり、

余計に『近づきたくない…』という気持ちを作り上げてしまっていたのでした。

これはお分かりの通り、「おやつで釣っている」状態ですね。

また、犬が行ける距離以上の成果を求めてしまっていますから、

たとえ人間の求める場所まで行くことができて、おやつをもらえたとしても、

犬の気持ちは『苦手』なまま。

それを続けると「おやつがあればできるけど、おやつがなかったらできない」状態になります。

犬への負担も残したままだしね。

結果、こむぎちゃんは、どんどんグレーチングから遠ざかるようになってしまいました。

なので、この時は「こむぎちゃんが『行けた』ところまでをまず評価」し、

そこから『もう少し進んでみようかな…』の気持ちがちょっとでも出たらどんどんほめて

その距離を延ばしていけるようにアドバイスさせていただきました。

※実際にはもっと細かくフィードバックしましたよ。

大事なのは『ここまで“行けた”』という過去形の行動。

犬が自発的に行ったことの結果として、その行動を評価してあげることです。

(細かなシェイピングのお話をするとこれでは足りないのですが、ここでは省きますね)

(あくまでもこれは「応用」としてのお話です)

もう一つ大きく大事なのは、目標をゴールにしないこと、です。

目標はあくまで目標、目指す場所です。

進む方向を間違えないために目標をしっかり持つことは大切ですが、

忘れてはいけないのが、「ゴールはその犬が決める」ということです。

そうしてあげると無理のないステップアップができます。

この時のこむぎちゃんは、確かグレーチングを飛び越えることはできなかったかと。

(あれ?できたかな?(^^; ごめん、忘れちゃった…)

でも初めに怖がった場所よりも、ぐっとグレーチングに近づくことはできました。

それでいいんです。

もっと言えば、初めから抱っこして通ってあげたっていいんです。

犬の『今できること』を増やし、『大丈夫』を積み重ねていくことが大切なのですから。

もうお分かりかな?と思いますが、「克服」とは、何かを頑張らせることではなく、

「『大丈夫』の範囲を広げること」なのです。

ここはしっかりと押さえておいてほしいところだなといつも思っています。

もう1頭の犬のお話は、先日のお散歩会に来てくれたシュナウザーのマーレくん。

彼は大勢の犬と歩いた経験がほぼなく、車から降りた時点から吠えが止まらなかった子でした。

少し長くなってしまいましたので、彼のお話は次の記事にしますね。

マーレくんのお話はこちらからどうぞ☆

閲覧数:206回0件のコメント
bottom of page